ぬか漬けは、食卓に彩りと安心感を添えてくれます。
きゅうりや大根などおなじみの野菜ももちろんおいしいですが、ぬか床はもっと自由に楽しめる「台所の小さな実験室」のような存在です。
発酵によるゆるやかな変化のなかで、食材やぬか床そのものが少しずつ育っていく。そんな時間は、日々の台所仕事にほんの少し、だけど確かな楽しみを与えてくれます。
余りもの食材で
「ぬか漬け実験」してみました
冷蔵庫に少しずつ余っていた食材を、一気に丸1日漬けてみました。それぞれの下処理と味の感想はこんな感じです。いちばん感動したのはブロッコリーの茎!
<ブロッコリーの茎>
・下準備:皮を厚めにむく
・感想:ザーサイのようなコリコリ食感!
<ゆで卵>
・下準備:固めに茹でて殻をむき、水分をしっかりふき取る
・感想:コンビニのゆで卵のような、ちょうどよい塩加減
<チーズ>
・下準備:今回は手軽な6Pチーズを使用
・感想:ぬかの香りをまとって、ワインにも日本酒にもぴったり!
<りんご>
・下準備:皮をむき、芯を取り、食べやすくカット
・感想:塩味で甘さが引き立ち、味の輪郭がパッと際立つ
<ミニトマト>
・下準備:ヘタを取り、十字に切り込みを入れる
・感想:フルーツみたいに甘くてジューシー!
ぬか床は、つくるものというより、
育てるもの
ぬか床が日常になると、自然と「これを漬けたらどんな味になるかな?」と考えるようになります。
ブロッコリーの茎のように、冷蔵庫の余りものもさっとぬか漬けに。これまで捨てていた食材も、おいしく活用できるようになります。
チーズを漬ければ、「ぬか漬けだけどパンに合いそう!」なんて新しい発見も(パンも発酵食品ですからね)。
さらに、日々の手入れでぬか床は少しずつ変化します。何を漬けるかはもちろん、足しぬかをしたり、塩を加えたり、水分を吸うために干し野菜を入れたり。同じ食材を漬けても、まったく同じ味にはなりません。
そんな“日々の向き合い方で変わるおいしさ”も、ぬか漬けの魅力のひとつです。
台所の変化は、暮らしの変化
台所に実験のような楽しさがあると、その好奇心は暮らしの彩りにもつながります。
食材やぬか床と向き合うことは、おのずと季節の移ろいにも目を向けるきっかけに。
四季や日々の小さな違いにていねいに気づけるようになれば、暮らしはより豊かで、充実したものになっていくはずです。
続けやすいぬか壺
ぬか床には、続けやすい容器が大事。
明山窯と寺本りえ子さんが共同開発したぬか壺は、まずコロンとしたフォルムで、毎日愛でたくなるような佇まい。大きすぎず、重すぎないコンパクトサイズで、冷蔵庫にもすっきり収まります。
低温保存のぬか床なら、毎日かき混ぜなくてもOK。温度変化に強く、ぬか床を安定させるので、はじめてでも簡単においしさアップ。
気負わず、ぬか床のある暮らしを楽しむことができます。

